e-Taxでエラーが発生してお困りではありませんか?

確定申告の時期になると、e-Taxを使ったオンライン申告を試みる方が増えますが、多くの初心者がエラーメッセージに悩まされています。「マイナンバーカードが読み込めない」「ログインできない」「データが送信されない」といった問題は、実は適切な対処法を知っていれば簡単に解決できることがほとんどです。
この記事では、e-Tax利用時によくあるエラーの原因と具体的な解決策を、初心者にもわかりやすく解説します。事前のチェックポイントから実際のトラブル対処法まで、確定申告をスムーズに完了させるための実用的な情報をお伝えします。
e-Taxでよくあるエラーの基本知識

e-Tax(イータックス)とは、国税庁が提供するオンライン確定申告システムです。自宅のパソコンやスマホから24時間いつでも申告書を提出できる便利なサービスですが、デジタル機器に不慣れな方にとっては様々なエラーが発生しやすいシステムでもあります。
e-Taxでエラーが発生する主な原因は以下の通りです:
- 認証システムの複雑さ:マイナンバーカードやID・パスワード方式など複数の認証方法があり、設定が複雑
- 環境依存の問題:使用するブラウザやOSのバージョンによる互換性の問題
- ネットワーク環境:インターネット接続の不安定さやセキュリティ設定
- 入力データの形式:PDF形式や添付ファイルの仕様に関する制限
国税庁の統計によると、e-Tax利用者の約30%が初回利用時に何らかのエラーを経験しており、その大部分が上記の要因に起因しています。
エラーの種類を理解することで、効率的な解決が可能になります。一般的なエラーは以下の5つのカテゴリに分類されます:
- 認証エラー:ログインや本人確認に関する問題
- システムエラー:サーバーやネットワークに関する問題
- データエラー:入力内容や形式に関する問題
- ファイルエラー:添付書類やPDF作成に関する問題
- デバイスエラー:パソコンやスマホの設定に関する問題
これらのエラーは、適切な事前準備と基本的な対処法を知っていれば、90%以上のケースで自力解決が可能です。
初心者がつまずく5つのエラーと対処法

1. マイナンバーカード認証エラー
症状:「マイナンバーカードを認識できません」「カードリーダーが反応しない」などのメッセージが表示される
原因:
- ICカードリーダーのドライバが古い、または未インストール
- マイナンバーカードの読み取り位置が適切でない
- カードの有効期限が切れている
- スマホの場合、NFC機能がオフになっている
解決策:
- ICカードリーダーの最新ドライバをメーカーサイトからダウンロード
- マイナンバーカードをカードリーダーの中央に正しく置く
- スマホ利用時は、設定からNFC機能を有効にする
- カードの有効期限を確認し、期限切れの場合は市区町村役場で更新手続き
2. ログインエラー
症状:「利用者識別番号またはパスワードが正しくありません」「アクセス権限がありません」
原因:
- 利用者識別番号の入力ミス(0とOの混同など)
- パスワードの大文字・小文字の間違い
- ログイン試行回数の上限に達している
解決策:
- 利用者識別番号を慎重に再入力(数字の0とアルファベットのOに注意)
- パスワードを再設定する(e-Taxサイトの「パスワード再設定」機能を利用)
- 24時間待ってから再度ログインを試行
3. データ送信エラー
症状:「送信に失敗しました」「タイムアウトエラー」「データが破損している可能性があります」
原因:
- 申告期限直前のアクセス集中によるサーバー負荷
- 大容量ファイルの添付による送信タイムアウト
- 入力データに不正な文字が含まれている
解決策:
- アクセスが集中しやすい時間帯(平日9-17時)を避ける
- 添付ファイルのサイズを確認し、必要に応じて圧縮
- 特殊文字や機種依存文字を使わず、標準的な文字のみで入力
- 一度データを保存してから、時間を置いて再送信
4. 添付ファイルエラー
症状:「ファイル形式が対応していません」「ファイルサイズが上限を超えています」
原因:
- PDF以外の形式(Word、Excel)でファイルを添付している
- 1ファイル8MB、または合計50MBの上限を超えている
- パスワード付きPDFを添付している
解決策:
- すべての添付書類をPDF形式に変換
- 画像解像度を下げてファイルサイズを削減
- パスワードなしのPDFファイルを作成
- 複数ファイルがある場合は、1つのPDFにまとめる
5. スマホ特有のエラー
症状:「ブラウザが対応していません」「画面が正しく表示されません」「操作が完了しません」
原因:
- 推奨ブラウザ以外を使用している
- ポップアップブロック機能が有効になっている
- 画面サイズが小さく、必要なボタンが見えない
解決策:
- Chrome、Safari等の推奨ブラウザを使用
- ブラウザの設定でポップアップを許可
- 画面を横向きにして操作エリアを拡大
- 複雑な操作はパソコンで行うことを検討
エラーを防ぐための事前チェックリスト

確定申告をスムーズに進めるためには、事前の準備が何より重要です。以下のチェックリストを確認することで、大部分のエラーを未然に防ぐことができます。
【重要】申告期限直前になってから準備を始めると、エラーが発生した際に十分な対処時間がありません。余裕をもって1週間前には事前チェックを完了させましょう。
システム環境の確認
- 推奨ブラウザの最新版をインストール(Chrome、Edge、Safari)
- JavaScriptが有効になっていることを確認
- ポップアップブロック機能をe-TaxサイトのみOFF
- ウイルス対策ソフトの設定でe-Taxサイトを除外リストに追加
認証方法の準備
- マイナンバーカードの有効期限確認(電子証明書の有効期限は5年)
- ICカードリーダーの動作テスト実施
- 利用者識別番号とパスワードの確認(ID・パスワード方式の場合)
- スマホ申告の場合、マイナポータルアプリの事前インストール
申告データの準備
- 源泉徴収票、支払調書などの必要書類を事前にPDF化
- ファイルサイズが制限内(1ファイル8MB以下)であることを確認
- 収入や所得控除の金額を事前に計算・整理
- 過去の申告書データがある場合は読み込み可能な形式で保存
国税庁の推奨環境では、Windows 10以上、macOS 10.15以上、iOS 14.0以上、Android 10.0以上となっています。古いOSを使用している場合は、エラーの原因となる可能性があります。
よくある勘違いと注意点
多くの初心者が誤解しやすいポイントがいくつかあります:
- 「e-Taxは24時間利用可能」の誤解:メンテナンス時間(月曜日0:00-6:00など)は利用不可
- 「スマホなら簡単」の過信:複雑な申告内容の場合、パソコンの方が確実
- 「一度設定すれば毎年同じ」の思い込み:システム更新により設定変更が必要な場合あり
それでも解決しない時の相談先

上記の対処法を試してもエラーが解決しない場合は、専門的なサポートを受けることをお勧めします。適切な相談先を知っておくことで、確定申告期限に間に合わせることができます。
e-Tax・作成コーナーヘルプデスク
- 電話番号:0570-01-5901(ナビダイヤル)
- 受付時間:月曜日~金曜日 9:00~17:00(土日祝日・年末年始除く)
- 確定申告期間中は受付時間延長あり
- e-Tax操作に関する技術的な質問に対応
最寄りの税務署への相談
- 申告内容に関する税務上の質問
- 必要書類や控除に関する確認
- e-Taxが利用できない場合の紙での申告方法
- 予約制の面談相談も利用可能
税理士など専門家への依頼
複雑な申告内容や、自力での解決が困難な場合は、税理士への相談・依頼も有効な選択肢です。特に以下の場合は専門家のサポートを検討しましょう:
- 事業所得や不動産所得がある場合
- 複数の収入源がある場合
- 医療費控除や雑損控除などの複雑な控除がある場合
- 毎年同様のエラーが発生する場合
まとめ・今すぐできる行動

e-Taxのエラー対策は事前準備が8割を占めます。この記事でご紹介した対処法を参考に、確定申告をスムーズに完了させましょう。
重要ポイントのまとめ:
- システム環境と認証方法の事前確認が最重要
- エラーが発生しても慌てず、原因を特定してから対処
- 自力解決が困難な場合は、早めに専門機関に相談
- 申告期限に余裕を持ったスケジュールで取り組む
今すぐ実行すべきアクション:
確定申告の準備を始める前に、まずマイナンバーカードの有効期限確認と推奨ブラウザの準備を行ってください。これだけでも多くのエラーを防ぐことができます。
エラーが発生した場合は、この記事をブックマークして、該当する対処法を順番に試してみてください。適切な準備と対処により、必ず確定申告は完了できます。

