会計ソフトがなくても大丈夫!確定申告は自分でできる

「確定申告をしなければいけないけど、会計ソフトを買うほどでもない…」「複雑そうで何から始めればいいのかわからない」そんな悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。
実は、会計ソフトがなくても確定申告は十分に可能です。国税庁が提供する無料ツールを使えば、初心者でも最短で確定申告を完了できます。
この記事では、会計ソフトを使わずに確定申告を効率的に終える具体的な手順をわかりやすく解説します。必要な書類の準備から提出まで、迷うことなく進められる段取りをお伝えします。
確定申告の基本と会計ソフトなしでもできる理由

確定申告とは何か
確定申告とは、1月1日から12月31日までの1年間の所得を計算し、所得税額を確定させて税務署に申告する手続きです。会社員の場合は年末調整で完了しますが、副業収入がある方や個人事業主、フリーランスの方は自分で確定申告を行う必要があります。
確定申告の期間は毎年2月16日から3月15日まで(土日の場合は翌月曜日)です。期限を過ぎると延滞税などのペナルティが発生する可能性があります。
会計ソフトがなくてもできる理由
多くの人が「確定申告=会計ソフトが必要」と思い込んでいますが、これは間違いです。国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を使えば、無料で確定申告書を作成できます。
このシステムは以下のメリットがあります:
- 完全無料で利用可能
- 計算は自動で行われるためミスが少ない
- スマホからでも申告可能
- e-Taxによる電子申告にも対応
どんな人が会計ソフトなしでできるか
以下のような方であれば、会計ソフトなしでも十分に確定申告を完了できます:
- 副業収入が年間数十万円程度の会社員
- 取引件数が月10件以下のフリーランス
- 医療費控除やふるさと納税の申告をしたい方
- 年金受給者で確定申告が必要な方
逆に、月の取引件数が100件を超える場合や複数の事業を行っている場合は、効率性を考えて会計ソフトの導入を検討することをお勧めします。
会計ソフトなしで確定申告を最短で終える5ステップ

1ステップ1:必要書類を準備する
確定申告をスムーズに進めるには、事前の書類準備が最も重要です。以下の書類を揃えましょう:
- 源泉徴収票(会社員の場合)
- 支払調書(フリーランスの場合)
- 経費のレシート・領収書
- 控除証明書(生命保険料、地震保険料など)
- 医療費の領収書(医療費控除を受ける場合)
- ふるさと納税の寄附金受領証明書
- マイナンバーカードまたは通知カード
2ステップ2:収入と経費を整理する
書類が揃ったら、収入と経費をExcelや手書きで整理します。複雑な会計ソフトは必要ありません。
収入の整理方法:
- 給与収入:源泉徴収票の「支払金額」を確認
- 事業収入:月別に売上を集計
- その他収入:雑所得として分類
経費の整理方法:
- 交通費、通信費、消耗品費など項目別に分類
- プライベートと事業の混在分は按分計算
- レシートがない場合は出金伝票で代用可能
3ステップ3:国税庁の確定申告書等作成コーナーを使う
整理が完了したら、国税庁の確定申告書等作成コーナーにアクセスします。このサイトは確定申告の期間中(1月上旬〜3月15日)に利用できます。
アクセス方法:
- 国税庁のホームページから「確定申告書等作成コーナー」をクリック
- スマホの場合は専用画面が表示される
- 「作成開始」ボタンから申告書の種類を選択
4ステップ4:書類を作成する
画面の指示に従って必要事項を入力していきます。計算は自動で行われるため、金額の入力間違いに注意するだけで大丈夫です。
入力のポイント:
- 収入金額は源泉徴収票や支払調書の通りに入力
- 経費は先ほど整理した項目別の合計額を入力
- 控除項目(医療費、ふるさと納税など)も忘れずに入力
- 入力完了後は必ず内容確認を行う
5ステップ5:提出方法を選ぶ(e-Tax/郵送/持参)
申告書が完成したら、以下の3つの方法から提出方法を選びます:
- e-Tax(電子申告):マイナンバーカードがあれば自宅から提出可能
- 郵送:印刷して税務署に郵送(簡易書留推奨)
- 持参:印刷して直接税務署の窓口に提出
e-Taxなら24時間いつでも提出でき、還付金の振込も早くなります。マイナンバーカードをお持ちの方はe-Taxがおすすめです。
時短のコツと注意点

レシートは月ごとに分類する
確定申告を効率的に進めるには、日頃からレシートの整理を心がけることが重要です。月末にレシートを項目別に分類し、合計金額をメモしておくだけで、確定申告時の作業時間を大幅に短縮できます。
おすすめの整理方法:
- 経費用の封筒やクリアファイルを月別に用意
- レシートにはメモを追記(会議費、交通費など)
- スマホアプリでレシートを撮影して管理
スマホでも申告できる
2019年からスマホでの確定申告が可能になりました。外出先や通勤時間を活用して申告作業を進められます。
スマホ申告の対象は給与所得者の副業や年金受給者など一部に限られていましたが、2023年分からは事業所得や不動産所得にも対応が拡大されています。
ただし、複雑な申告内容の場合はパソコンでの作業が効率的です。自分の申告内容に応じて使い分けましょう。
期限を守る(いつまでに何をするか)
確定申告で最も重要なのは期限を守ることです。以下のスケジュールを参考に計画的に進めましょう:
- 1月中:必要書類の収集と整理
- 2月上旬:確定申告書等作成コーナーでの入力開始
- 2月中旬:申告書の作成完了
- 3月上旬:提出(余裕を持って早めに)
提出期限は3月15日ですが、ギリギリになると税務署が混雑します。2月中に提出することをおすすめします。
よくある質問と解決策

経費の計算が不安な人へ
「どこまでが経費として認められるのかわからない」という不安を持つ方は多いです。基本的には事業に直接関係する支出であれば経費として計上できます。
判断に迷った場合の対処法:
- 国税庁のタックスアンサーで確認
- 税務署の無料相談を利用
- 按分が必要な場合は合理的な基準で計算
- グレーゾーンの支出は除外する(安全策)
医療費控除やふるさと納税の処理
医療費控除は年間10万円(所得200万円未満の場合は所得の5%)を超える医療費が対象です。確定申告書等作成コーナーでは「医療費控除の明細書」を自動作成できます。
ふるさと納税については、ワンストップ特例制度を利用していない場合や、6自治体以上に寄付した場合は確定申告が必要です。寄附金受領証明書があれば簡単に入力できます。
まとめと今すぐ始めるべきアクション

会計ソフトがなくても、国税庁の無料ツールを使えば確定申告は十分に可能です。重要なのは事前の準備と計画的な進行です。
今すぐ始めるべき3つのアクション:
- 必要書類の確認と収集を開始する
- レシートや領収書を月別・項目別に整理する
- 国税庁の確定申告書等作成コーナーにアクセスして操作に慣れる
確定申告は一度慣れてしまえば、毎年同じ手順で効率的に処理できるようになります。今年から計画的に取り組んで、来年以降の負担を軽減しましょう。
不明な点があれば税務署の無料相談も積極的に活用してください。適切な申告を行うことで、無用なトラブルを避け、控除による節税効果も最大化できます。

