確定申告 収支内訳書の書き方 例つきで解説 初心者向け

確定申告

初めての確定申告で収支内訳書に困っていませんか?

個人事業主として初めて確定申告をする際、「収支内訳書って何を書けばいいの?」と悩む方は非常に多くいらっしゃいます。

確定申告の書類の中でも、収支内訳書は特に記入項目が多く、どの欄に何を記入すればよいのか分からないという声をよく耳にします。

この記事では、収支内訳書の書き方を具体例とともに、初心者でも迷わず作成できるよう詳しく解説します。記事を読み終える頃には、自信を持って収支内訳書を作成し、スムーズに確定申告を進めることができるでしょう。

収支内訳書とは?確定申告における基本を理解しよう

収支内訳書とは、白色申告をする個人事業主が確定申告時に提出する必要書類です。正式名称は「収支内訳書(一般用)」といい、1年間の事業収入と支出を詳細に記載する書類になります。

収支内訳書の主な役割は以下の通りです:

  • 事業所得の計算根拠を税務署に示すこと
  • 収入から必要経費を差し引いた所得金額を明確にすること
  • 適正な税額計算の基礎となる資料を提供すること

青色申告決算書との違い

青色申告をする事業者は「青色申告決算書」を提出しますが、白色申告者は「収支内訳書」を提出します。青色申告決算書の方がより詳細な記帳が求められる分、特別控除などの税制優遇を受けられます。

確定申告において、収支内訳書は確定申告書Bと一緒に提出する重要な書類です。この書類により、税務署は事業所得の妥当性を判断し、適正な税額を算出します。

収支内訳書は2枚構成になっており、1枚目には収入金額、売上原価、経費などの主要項目を、2枚目には給料賃金の内訳や専従者控除に関する詳細を記載します。

収支内訳書が必要な人・必要ない人

収支内訳書の提出が必要かどうかは、申告方法と所得の種類によって決まります。

収支内訳書が必要な人

  • 白色申告で事業所得がある個人事業主
  • 白色申告で不動産所得がある人
  • 副業で事業所得(雑所得ではなく)がある会社員
  • 農業所得がある人

具体例:

・フリーランスのWebデザイナー(白色申告)
・個人でネットショップを運営している方
・アパートを貸している大家さん
・会社員だが副業でコンサルティング業をしている方

収支内訳書が不要な人

  • 青色申告をしている個人事業主(青色申告決算書を提出)
  • 給与所得のみの会社員
  • 副業が雑所得に該当する人
  • 年金所得のみの人

副業収入が年間20万円を超える場合は、基本的に確定申告が必要になりますが、事業規模によって事業所得か雑所得かの判断が分かれる点にご注意ください。

収支内訳書の書き方を項目別に詳しく解説

ここからは、収支内訳書の具体的な記入方法を項目別に解説していきます。実際の記入例も交えながら説明しますので、手元に収支内訳書を用意して一緒に確認してみてください。

収入金額の欄の書き方

収入金額欄には、1年間(1月1日〜12月31日)に得た事業収入の総額を記入します。

記入のポイント:

  • 消費税込みの金額で記載する
  • 現金主義で記録している場合は、実際に入金された金額
  • 売掛金がある場合は、発生主義で計上
  • 返品や値引きがあった場合は差し引いた金額

記入例:

Webデザイナーの田中さんの場合
・ホームページ制作:3,200,000円
・ロゴデザイン:800,000円
・バナー制作:500,000円
合計:4,500,000円

売上原価の欄の書き方

売上原価は、商品を販売している事業者のみ記入が必要です。サービス業の場合は基本的に記入不要です。

計算方法:

売上原価 = 期首商品棚卸高 + 当期商品仕入高 − 期末商品棚卸高

記入例:

雑貨店を経営する佐藤さんの場合
・期首商品棚卸高:300,000円
・当期商品仕入高:2,000,000円
・期末商品棚卸高:250,000円
売上原価:2,050,000円

経費の欄の書き方(項目別に詳細解説)

経費欄は収支内訳書の中でも特に重要な部分です。適正な経費計上により、所得を正確に計算できます。

主要な経費項目と記入のポイント:

  • 租税公課:事業税、固定資産税、印紙代など事業に関連する税金
  • 荷造運賃:商品の梱包材料費、配送料など
  • 水道光熱費:事業で使用した電気代、ガス代、水道代(家事按分必要)
  • 旅費交通費:出張費、電車代、タクシー代など
  • 通信費:電話代、インターネット料金、切手代など
  • 広告宣伝費:チラシ作成費、Web広告費、看板代など
  • 接待交際費:取引先との飲食代、お中元・お歳暮代など
  • 損害保険料:事業用の火災保険、自動車保険など
  • 修繕費:事務所や設備の修理代
  • 消耗品費:文房具、10万円未満の備品など
  • 減価償却費:10万円以上の資産の償却費
  • 福利厚生費:従業員の健康診断費用、慰安旅行費など
  • 給料賃金:従業員への給与(専従者給与は別欄)
  • 外注工賃:外部への業務委託費
  • 地代家賃:事務所家賃、駐車場代など(家事按分必要)
  • 雑費:他の項目に該当しない少額の経費

家事按分について

自宅を事務所として使用している場合、家事按分により事業割合分のみを経費計上できます。例えば、自宅の30%を事務所として使用している場合、家賃の30%を地代家賃として計上可能です。

専従者控除の欄の書き方

事業専従者控除は、生計を一にする配偶者や親族が事業に従事している場合に適用される控除です。

要件:

  • 生計を一にする配偶者・親族であること
  • 年間6か月を超えて事業に専ら従事していること
  • 15歳以上であること
  • 他に職業を持たないこと

控除額:

  • 配偶者:最大86万円
  • その他の親族:最大50万円

収支内訳書作成時の注意点とよくある間違い

多くの初心者が陥りやすい間違いをまとめました。事前にチェックすることで、正確な収支内訳書を作成できます。

よくある間違い

  • 収入の計上漏れ:年末に発生した売上を翌年分として処理してしまう
  • 経費の重複計上:同じ経費を複数の項目に分けて計上してしまう
  • 家事按分の誤り:個人使用分も含めて全額を経費計上してしまう
  • 領収書の整理不足:経費の根拠となる領収書を紛失してしまう
  • 消費税の取扱い誤り:免税事業者なのに消費税を別計算してしまう

作成前の確認ポイント

  • すべての収入が計上されているか
  • 経費の領収書やレシートが整理されているか
  • 家事按分の計算が正確か
  • 専従者控除の要件を満たしているか
  • 前年分との大幅な変動に合理的な理由があるか

収支内訳書は税務調査の際に重要な資料となるため、根拠となる帳簿や領収書は7年間保存する必要があります。日頃からの適切な記録管理を心がけましょう。

まとめ:収支内訳書をスムーズに作成するために

収支内訳書の作成は、正確な記帳と適切な経費分類により、思っているより簡単に完成させることができます。

今回解説した内容をまとめると:

  • 収支内訳書は白色申告者の必須書類
  • 収入は発生主義、経費は発生した年度で計上
  • 家事按分は事業使用割合を合理的に計算
  • 専従者控除は要件を満たした場合のみ適用
  • 領収書等の根拠資料は7年間保存が必要

確定申告の期限は毎年3月15日です。余裕を持って準備を進めるため、以下の行動を今すぐ始めましょう:

今すぐ始める行動リスト:

  • 2024年分の収入・支出資料の整理
  • 領収書・レシートの分類と保管
  • 収支内訳書用紙の入手(税務署またはネットダウンロード)
  • 不明な点があれば税務署への相談予約

初めての確定申告でも、一つ一つの項目を丁寧に確認することで、必ず完成させることができます。分からないことがあれば、税務署の確定申告相談を活用し、正確な申告を心がけてください。

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