確定申告ソフトで失敗したくないあなたへ

確定申告の期限が迫る中、弥生やfreeeなどの確定申告ソフトを使って初めて申告書を作成する方も多いでしょう。しかし、便利なソフトでも入力ミスによって税額計算が狂ったり、税務署から問い合わせが来ることがあります。
この記事では、確定申告ソフトを使う初心者が陥りやすい入力ミスと、その対策について詳しく解説します。弥生会計やfreee確定申告の両方で共通する注意点を知ることで、正確で安心な確定申告を実現できます。
確定申告は年に一度の重要な手続きです。ミスを防いで、スムーズに申告を完了させましょう。
弥生・freeeとは?確定申告ソフトの基本を理解しよう

確定申告ソフトの役割と機能
弥生会計やfreee確定申告は、個人事業主やフリーランスの確定申告を効率化するクラウド型の会計ソフトです。従来の手書きや国税庁の確定申告書等作成コーナーと比較して、以下のような特徴があります。
- 銀行口座やクレジットカードとの自動連携
- 領収書のスマホ撮影による自動仕訳
- 確定申告書の自動作成機能
- e-Taxによる電子申告対応
- 青色申告特別控除の適用サポート
国税庁の統計によると、2023年分の確定申告では電子申告の利用率が約70%に達しており、確定申告ソフトの普及が進んでいます。
弥生とfreeeの特徴比較
弥生会計は簿記の知識がある方向けの本格的な機能を持ち、一方freee確定申告は簿記初心者でも使いやすい質問形式のインターフェースが特徴です。
どちらのソフトも確定申告書Bや青色申告決算書の作成が可能で、確定申告の期限である3月15日までに正確な申告書を作成することができます。
しかし、便利な機能がある一方で、入力ミスによるトラブルも増加しています。特に初心者の方は、ソフトの操作方法だけでなく、税務の基本的な知識も必要になるため、注意が必要です。
次の章では、実際によく発生する入力ミスについて詳しく見ていきましょう。
よくある入力ミス5つと確実な対策法

1. 売上と所得の混同による金額入力ミス
最も多い入力ミスは、売上高と所得金額を混同してしまうことです。売上は事業で得た総収入、所得は売上から経費を差し引いた利益のことを指します。
対策法:
- 売上は「収入金額等」の欄に入力
- 所得は自動計算されるため手動入力は不要
- 青色申告決算書で売上と経費を正確に区分
弥生・freee共に、売上入力画面では「収入」という表記になっていますが、これは売上高のことです。間違って所得金額を入力してしまうと、税額が大幅に変わってしまうので注意しましょう。
2. 経費の重複計上による申告書作成エラー
確定申告ソフトの自動連携機能は便利ですが、同一の経費を手動入力と自動取込の両方で計上してしまうミスが頻発しています。
例えば、クレジットカードで支払った交通費を、レシート入力と自動連携の両方で登録してしまうケースです。これにより経費が2倍計上され、所得が実際より少なく計算されてしまいます。
対策法:
- 取引の登録前に重複チェックを行う
- 自動連携の除外設定を適切に行う
- 月末に取引一覧で重複がないか確認
3. 源泉徴収税額の入力漏れと過小申告
フリーランスや個人事業主の方で多いのが、源泉徴収された税額の入力漏れです。支払調書に記載された源泉徴収税額を正しく入力しないと、既に支払った税金が考慮されず、追加納税が発生してしまいます。
確定申告は源泉徴収税額の精算も兼ねているため、この入力は必須です。
対策法:
- 支払調書を確実に収集・保管
- 源泉徴収税額欄に正確な金額を入力
- 合計額が支払調書の総額と一致するか確認
4. 控除額の申告漏れによる税負担増加
医療費控除や生命保険料控除など、各種控除の申告漏れも初心者に多いミスです。特に確定申告ソフトでは、控除の入力画面が分かれているため、うっかり忘れてしまいがちです。
控除の申告漏れは直接的に税負担の増加につながるため、年収に応じて利用できる控除を事前にリストアップしておくことが重要です。
対策法:
- 控除証明書を事前に整理・保管
- ソフトの控除入力チェックリストを活用
- 提出前に控除一覧を再確認
5. 事業用と私用の按分計算ミス
自宅兼事務所や自家用車の事業利用など、事業用と私用の按分計算でミスが発生しやすくなっています。按分割合の根拠が不明確だと、税務調査で指摘される可能性があります。
按分計算は合理的な根拠に基づいて行い、その根拠を記録として残すことが大切です。
対策法:
- 按分割合の計算根拠を明文化
- 使用実態に応じた合理的な割合設定
- 按分対象の支出を正確に把握
実際のミス事例とリカバリー方法

ケース1:売上の二重計上で過大申告になった事例
個人事業主のAさんは、freeeで確定申告を行った際、同一の売上を現金売上と振込売上で二重に計上してしまいました。その結果、実際の売上より200万円多く申告してしまい、所得税を過大に納付することになりました。
この事例では、確定申告期限後に更正の請求を行い、約30万円の還付を受けることができました。ただし、手続きに3ヶ月を要し、資金繰りに影響が出ました。
リカバリー方法:
- 確定申告期限内の場合:訂正申告書を再提出
- 期限後の場合:更正の請求書を税務署に提出
- 過納税額は後日還付される
ケース2:経費の計上漏れで追加納税となった事例
フリーランスのBさんは、弥生会計で確定申告を行いましたが、パソコン購入費用など高額な経費の入力を忘れてしまいました。税務署からの連絡で気づき、修正申告を行うことになりました。
経費の計上漏れは追加の所得税だけでなく、延滞税も発生するため、早急な対応が必要です。
リカバリー方法:
- 修正申告書を速やかに提出
- 追加税額と延滞税を納付
- 今後の経費管理体制を見直し
予防策の重要性
これらの事例からわかるように、入力ミスは発生後の対応が困難で、時間とコストがかかります。そのため、事前の予防策が何より重要です。
確定申告ソフトには検算機能やエラーチェック機能が搭載されていますが、最終的なチェックは人の目で行うことが欠かせません。特に確定申告書等作成コーナーとの突合や、前年実績との比較は有効な検証方法です。
まとめ:正確な確定申告のための次のアクション

弥生・freee共通の入力ミス注意点を理解することで、確定申告の精度は大幅に向上します。今回紹介した5つのポイント(売上と所得の区別、経費の重複防止、源泉徴収税額の入力、控除の申告漏れ防止、按分計算の適正化)を意識して、確定申告に取り組みましょう。
今すぐ実践すべきアクション:
- 使用中の確定申告ソフトでエラーチェック機能を確認
- 控除証明書や支払調書など必要書類の整理
- 前年の申告書と今年のデータを比較検証
- 提出前の最終確認チェックリスト作成
確定申告の期限は毎年3月15日です。余裕を持った準備と正確な入力で、安心して申告を完了させてください。
もし入力方法で不安な点があれば、税理士などの専門家への相談も検討しましょう。正確な確定申告は、事業運営の基盤となる重要な作業です。
【画像提案】
- 入力ミス防止チェックリスト図 – 5つのポイントを視覚的にまとめた一覧表
- 弥生・freee操作画面比較 – 売上入力画面と控除入力画面のスクリーンショット
- 確定申告の流れフローチャート – 準備から提出までのステップを図解
- エラー事例とリカバリー対応表 – ミス発生時の対処法を整理した表

